岸辺:馬締さんは辞書をどんなものだと思っていますか。
真締:それは、またいきなりどうしましたか?
岸辺:馬締さんの考えを教えてほしいんです。
馬締:そうですね。
人が人と理解し合うための助けとなるものです。
誰かと話している時、本を読んでいる時
僕たちはたくさんの言葉に触れますよね
それらの言葉の向こうにはその言葉を発した人がいる
その人が何を思って何を伝えたいのか
理解するための助けとなるもの
それが辞書だと思います。
でも辞書は万能ではありません
人の手で作っていますし
全ての言葉を集めるなんてできません
それに言葉は生き物です。
岸辺:生き物?
馬締:はい
言葉の使い方は時代の変化と共に変わっていき
新しい意味が加わっていくでしょう
例えば
岸辺:微妙とか?ヤバイとかも
馬締:そうですね。
入れ子のように新た意味に包み込まれて
もともとの意味がわからなくなった言葉もあるのです。
先生:だからこそ辞書は作り続けられるのです
変化する言葉や消えていく言葉
新しく生まれる言葉の中でいつの時代でも
みんなが互い理解し合えるように
私や馬締君だけでは足りない
あなたのような若い人の感性もちゃんと取り入れて
大渡海を編さんしていきましょう
岸辺:はい
『船を編む』第9話より
●入れ子
[名]
1.套匣(大小不同,可一個套一個的幾個盒子)。
2.(自己孩子死後)抱養(領養)的孩子。
岸邊:馬締先生覺得辭典是什麼
馬締:怎麼突然想起問這個呢
岸邊:因為我想知道馬締先生的想法
馬締:這個嗎
是能幫助人們互相理解的東西
和別人說話的時侯 看書的時侯
我們接觸了很多語言對吧
語言的背後是說出語言的人
那個人在想什麼 想傳達什麼
為了理解這些的道具
就是辭典
但辭典並不是萬能的
辭典是人製作出來的
也不可能包括所有的語言
而且語言是活的
岸邊:活的?
馬締:是的
語言的用法隨著時代的變化而變化著
也會追加新的含義對吧
比如說
岸邊:微妙啊 糟糕之類的
馬締:是的呢
像套盒一樣被新的語言層層包裹
也有原有的含義被遺忘的語言
先生:所以我們會不斷地製作辭典
變化的語言 消失的語言
新產生的語言中 無論哪個時代
為了讓人們能互相理解
只有我和馬締是不夠的
也需要加入你這樣年輕人的感性
讓我們一起編纂大渡海吧
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